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データから考える教育費~こんなデータに着目! ~その3~

kodomo.jpg当たり前といえば当たり前のことながら...日本の義務教育は小学校から始まります。
でも、実際の子育てにかかる費用を現実的に考えるならば、小学校就学前の段階も気になるところでしょう。

「子どもにかかる教育費」のデータや資料を見てみると、そのほとんどは、「幼稚園」からスタートしています。
が、前回の最後にもご紹介したように、幼稚園の就園率は約56.4%(平成21年)となっています。
ちなみに、就園率は「幼稚園修了者数÷小学校1学年児童数」で算出されます。

戦後上昇を続けた就園率は、昭和48年に60%を初めて超え、以後平成13年まで60%台が続いています。ただし、ピークは平成4年の64.1%。その後は 少しずつ減少し続けて今に至っています。

グラフで見たい方は、こちら↓
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2009/0/06/1282571_5.pdf
文部科学省 平成21年度学校基本調査速報 調査結果の要旨
           ~参考図表5 就園率・進学率の推移

なぜ、幼稚園に通う率が減っているの?
残りの半数弱の子どもたちは?

「幼稚園」だけに注目すると、こんなギモンがわいてくることでしょう。
小学校入学前に通うのは「幼稚園」だけではありませんから...。

幼稚園の就園率が下がり続けている理由の一つは、子どもが小さいうちからお母さんが働きに出るケースが増えていること。
その際には、「保育所」を利用する場合が多いため、保育所の在籍率は上昇しているのです。

文部科学省のデータに保育所が上がってこないのは、保育所の管轄が、幼稚園とは違って厚生労働省だから。
そもそも、「幼稚園」と「保育所」は設置目的などの違いにより制度が異なっているのです。

ところで、保育所の在籍率はどのくらいなのでしょう。
統計上の計算式は、幼稚園と同様 「保育所修了者数/小学校1学年児童数」で表します。
が、0歳から6歳まで預ける年齢に差があることや、親の就労の都合などにより年度途中での入退所も随時行われることなどにより、「保育者修了者数」をどう計算するのかという問題があります。計算上では「保育所在所 5歳児の半数と6歳児以上の合計」とされています。
また、こういったデータで使用されているのは、認可保育所に減退した保育所入所児童数ですが、実際には、認可外保育施設、託児所、ベビーシッター、保育ママといった制度もあるので、一概に、幼稚園の就園率と比較することはできないといえるでしょう。

これらを踏まえたうえでの保育所の在籍率は、約40.3%(平成21年度)となっています。
(計算に使用した資料:厚生労働省「平成20年社会福祉施設等調査」、文部科学省「平成21年学校基本調査」より)

前回の幼稚園の場合と同様、子どもが毎日自宅から通える範囲という条件にプラスして、保育所の場合は、親の通勤の都合による事情も考慮して選ぶことになります。
自分が住んでいる都道府県の現状がわかるデータもあると便利ですね。
近畿の府県の保育所の在籍率を例にとって計算してみました。
○       滋賀県:41.6%
○       京都府:22.4%
○       大阪府:18.0%
○       兵庫県:17.7%
○       奈良県:28.0%
○       和歌山県:38.7%

就学前に子どもを通わせるのは、「幼稚園」か「保育所」か。
母親の働き方による主体的な選択だけではなく、幼稚園は一般的に都市部に多く、郊外・過疎地域となると幼稚園が少ないという場合もあるのです。
上のような地域別の差は、こういった事情による影響もあると考えられます。

全国的な保育所の状況を知るにはこちら↓
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/h0907-2.html
文部科学省 保育所の状況(平成21年4月1日)等について

● 全国の保育所定員数...2,132,081人(前年比11,192人増)
・うち公立...1,025,938人
・うち私立...1,106,143人
● 全国の利用児童数...2,040,974人
・うち3歳未満児...709,399人
・うち3歳以上児...1,331,575人

これらの数字を見ていると、児童数に対して定員数の方が多く、十分足りているように思えます。
が、お母さんが働きに出るために、いざ保育所に子どもを預けようとするとなかなかむずかしい...という話を聞いたり、実際に経験したりした方もあるのではないでしょうか。

数としては足りていても、希望の保育所には入れないという「待機児童」の問題が、特に都市部に集中して起こっています。
上で紹介した厚生労働省のサイトで、「全国待機児童マップ」を見ることができます。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/h0907-2d.html

子どもの教育費の第一段階となる就学前をどこに通わせるか。
親の就業形態(共働きかどうか、就業時間等)などによって、あるいは住んでいる地域によって、差が出てくるといえそうです。

次回は、「保育所」の保育料など費用面について解説します。
「教育費」のデータでなかなか見られないのは、一覧データにはしにくい事情があるからなのです...。
                                                (高原 育代)

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