家計講座

第2回 「源泉徴収票を見てみよう」

今回は「源泉徴収票を見てみよう」です。この表には、いろいろなことが書かれていますよ。是非、手元に「源泉徴収票」を用意して、じっくりご覧ください!

会社員の人は、年に一度会社から支給されるものに「源泉徴収票」というものがあります。ピンと来ない人も下の表をみてください。「そんなものあったなぁーー」思い当たるでしょう?
この用紙には、あなたの収入や払っている税金に関するさまざまな情報が記載されていますよ。是非、チェックしてくださいね。

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では、この中でも主な項目について説明します。(他の項目は、またの機会にゆっくりとご説明しますね)

(1) 支払金額

 その年の年収です。いわゆる税込み年収で、給与、賞与の合計額です。

(2) 給与所得控除後の金額

会社員にも、自営業者の「必要経費」にあたる、給与所得控除があります。
これが、給与所得控除で、収入によって給与控除額が変わります。
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例えば、年収が500万円の場合、給与所得控除額は154万円。「給与所得控除後の金額」は346万円となります。
給与所得控除後の金額=支払い金額-給与所得控除額
となります。

(3) 所得控除の額の合計額

同じ収入の人でも、払うべき税金(所得税)は違います。 同じ所得でも、独身の人と子どもを3人扶養している人を比べると、独身の人のほうがたくさん払っています。 このように、扶養している人などがいる場合は、税金負担が軽くなっています。税金の対象となる収入額から、条件によっては、金額をひいてあげましょうということ。つまり、
  「控除」とは、収入金額からひいてもらえる、いわは税金を安くできる「割引パスポート」。
この「割引パスポート」をもらう方法として、ひとつは、扶養している人などをカウントしてもらえるものがあります。これがいわゆる「人的控除」です。  

その他に、「物的控除」というものあり、生命保険料控除、損害保険料控除、住宅借入金特別控除額等があります。また、社会保険料控除として、支払った社会保険料も控除されます。 これらの値は、この源泉徴収票の真ん中の欄に記載されていますね。これがその値です。

この、「人的控除」と「物的控除」の合計がこの所得控除の額の合計額です。

(4) 源泉徴収税額

ここで、やっとこの表からだされる税額が出てきましたよ!
その前に、ここまでで、税金(所得税)を決めるための金額がでてきました。
これが、「課税される所得金額」です。
この「課税される所得金額」は、下の式で算出できます。
課税される所得金額(課税対象となる金額)=給与所得控除後の金額(2)-所得控除の額の合計額(3)

皆さんの「課税される所得金額」は、計算できましたか?出てきたら、この額から税金額(所得税)が出てきますよ!

出し方は簡単。下の表より税額を求めることが出来ます。
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例えば「課税される所得金額」が700万円の場合には、
 700万円×0.23-63万6千円=97万4千円
が税額になります。

※ 平成25から平成49までの各年分の確定申告においては、所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)を併せて申告・納付することとなります。

この額が、「源泉徴収税額」です。

いかがでしたか?少し難しかったかもしれませんね。ポイントは、源泉徴収額!
これだけの金額が、所得税としてひかれているということです。一年間で支払った所得税。この欄をしっかりチェックしてみましょう。

でも、この源泉徴収額を決めるためには、いろんな配慮(控除)がありましたね?
次回は、この控除について考えることにしてみましょう。

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